2014年9月の税務と労務
9月10日 | 8月分源泉所得税の納付 |
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9月30日 | 7月決算法人の確定申告(法人税・消費税等) 1月決算法人の中間申告 |
超富裕層プロジェクトチーム
「超富裕層PT」なる組織が7月10日、東京、大阪、名古屋の各国税局で発足し、国税庁にも支援チームが設置された。
一般的に住居などを除く投資可能な資産を一億円以上有する世帯を富裕層、30億円以上を超富裕層と位置づけることが多い。発足したPTは超富裕層PTと名乗っているので自分には関係ないと高をくくるのは早計だ。狙っているのは富裕層及び超富裕層の実態把握でこれらの層の国外を含めた資産や所得についての情報収集機能を強化し課税の充実を図ろうという目論見だ。
国税庁がここ数年力を入れてきたものに、富裕層が海外で行う資産運用や投資活動による資金の流れの把握がある。平成25年からは国税財産(5,000万円超)調書の提出制度もスタートしている。林信光国税庁長官も着任のインタビューの中でわざわざ「海外金融機関への送金状況などを分析し、税逃れを見逃さない体制をつくっていく」と力のこもった発言をしている。
また経済協力開発機構(OECD)が加盟各国で外国人の口座情報を共有するシステムを作っていくことで合意したことに見られるように、外国税務当局との情報交換ネットワークの拡充など国税当局の情報把手段は驚くべきスピードで進んでいる。
加えてマイナンバー制度(社会保障・税番号制度)だ。番号制度は「社会保障・税制度の効率性・透明性を高め、国民にとって利便性の高い公平公正な社会を実現するための社会基盤」として導入されたものだが、平成27年10月には個人番号が通知され、平成28年1月からはマイナンバーの利用が開始されることになっている。
超富裕層PTはこうした内外の大きな変化に対応するため立ち上げられたものの一つだが、我々もこの変化のスピードにキャッチ・アップしていかなければならない。胸が高鳴る大変な時代に我々は立っている。
田幡 民生