年始のご挨拶
明けましておめでとうございます。希望溢れる新年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。
本年の干支(えと)は丙申(ひのえ・さる)です。例年に倣い陽明学の碩学、安岡正篤先生の干支学に丙申が教示するところを尋ねます。
まず、干の「丙」は、盛ん・あきらか・つよいという意味を持ち、昨年の陽気が一層発展することを示しているものの丙の上の一の陽気が冂(かこい)の中に入ることも示しており、陰気が生じる兆しを含んでいる。
一方、支の「申」は、電光の屈折して走る形を表わしたもので、これも屈伸・伸びる・あきらかの意がある。以上から丙申の干支が教えるところは「本年は強い生命力・活力を内含し、昨年に引き続いて諸事成長発展をする年であり、道理原則に則り着実に事を進めれば、大きな成果を得られる。調子にのらす、長期的に事を進めることが永続発展に繋がっていく。」という解説です。
さて、アベノミクスが始まって三年、経済のムードはおおきく変わり脱デフレと景気回復について一定の成果をみました。
しかし、この異次元の政策による円安や株高で大企業や富裕層が潤った一方で大半の国民は景気回復を実感できない状況が続いているのも事実です。アベノミクスはいったい、うまくいっているのか、それとも挫折しているのか不透明のまま新たに第三の矢「グローバルな競争に勝って成長する」という成長戦略が進められています。
我々は知らず知らず「成長しなければ幸せになれない」という思い込みの中で生きていますが、グローバル競争と成長追求がもたらす社会生活の不安定や地方の崩壊、あまりの労働強化や能力主義や成果主義がもたらすギスギスした社会的雰囲気やひずみは、人々の間の信頼や安定した関係を崩し我々を必ずしも幸福にしないということを多くの人々が感じはじめています。
企業経営においても「業績軸」から「幸せ軸」へのパラダイムシフトが起きており「人を大切にする経営」(人本経営)を実践している会社が増え続けているといいます。時代が大きく変わりつつある今思考の転換、価値の転換が必要なものかもしれません。
田幡会計事務所は今年も皆様からたくさんの「ありがとう」をいただけるよう、所員一同心新たに力を合わせて頑張ってまいります。一層のご支援を賜りますよう、宜しくお願いいたします。
田幡民生